「原発導入のシナリオ」
東京電力というのも不思議な会社だが、東電への追及が及び腰だったり、いまの電力供給体制への批判、原発反対の意見をマスメディアがなぜ報道しないのか?
スポンサー(お得意さん)だから、という話がある。これはチェルノブイリ事故のときにも噂された。
テレビは製作現場でも、受信でも電力を沢山消費するから、という説にも頷く。NHKが教育とBS2だったかの深夜帯を放送中止にしたとき、「深夜に節電しても意味がない」という意見を聞いたが、あれはあれでテレビ漬けの日常に慣れてしまった人に考えてもらう意味はあるはずだ。昔は、夜中の12時でテレビ放送終了だった。若者はラジオの深夜放送を夢中になって聴いた。テレビの終夜放送がはじまったのは87年からだという。
電気がなければテレビ屋さんたちは、商売あがったりだ。
ネットで見た 「NHK現代史スクープドキュメント (1994年3月16日放送) 原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略」
国際関係、米ソ冷戦の中で、原発導入が進められていくドキュメンタリー。そのような経緯を辿ったのはおおよそ見当が付くが、キーパーソンだったのが、読売新聞、日本テレビ放送網の正力松太郎だった。読売新聞は日本初の新聞、日本テレビは日本初の民放テレビだ。いまでいう メディア・ミックスって世論をひっくり返し、正力自身が政界に出る。
腑に落ちた。日本のマスメディアは原発推進とともにあるのだ。
94年になぜこの番組がつくられたのか、当時どんな社会情勢だったのか調べてみると、直接的な原発事故(放射能の問題)はみあたらず、やはり91年12月のソ連崩壊で冷戦終結したことを受けてスクープがあったためらしい。
NHKもいい仕事をしたものだと感心する。
しかし、現在ネットの「NHKアーカイブズ」には、この放送の文字データはあるが、肝心の映像はない。
日本のマスメディアはジャーナリズムとは別もの。
そろそろテレビは消したほうがよさそうだ。