西の魔女が死んだ
木梨香歩の『西の魔女が死んだ』の映画化。好きな物語だったので、映画にも行った。
中学に入学してまもなくの5月、不登校になった少女まいは、母方の祖母に預けられる。大好きなおばあちゃんはイギリス人。野菜やハーブを育て、鶏を飼ってと、絵に描いたようなイングリッシュカントリーの暮らしをしている。まいは、おばあちゃんから、魔女になるためのレッスンを受ける。
まいの家は都会のマンション。不登校の原因は学校にあるのだが、家庭も、父は単身赴任、母も仕事で忙しい。一方、おばあちゃんの家は”オールドファション”。畑にいる虫に驚き、鶏小屋の卵を取るのにも苦労しながら、だんだんと作業のコツを覚えていく。
魔女になるためのレッスンは、自分で自分を律して生活を組み立てていくこと。いまの都会の生活では、畑や鶏は無理にしても、生活を組み立てるために、基本の家事労働を知っておくことはとっても大事。
ジャムを食べたかったら買ってくればいい。でも自分でつくるのもなかなか美味しいんだよ。そしてお鍋をかき回しているときの幸福感。おばあちゃんの家事はたしかに古いやり方だけれど、生活の知恵がいっぱいだ。大人が子ども用にお膳立てした「職業体験イベント」や「食育」よりよっぽど有効に、リアルな生活のなかで、労働を体験し、食事の知識が身につき、そして、そこから死や生も学ぶ…。いまのこどもたちに足りないものは、このリアルな体験なんだろうと思う。いや、子どもにかぎらず、すでに大人が体験していないんだよね。
おばあちゃん役のサチ・パーカー、まい役の高橋真悠が、ともに素晴らしい。優しいだけじゃなく、ちょっとほろ苦い物語で、嬉しい場面につけ、悲しい場面につけ、静かに涙がこぼれ落ちる。自然あふれる映像も美しい。
聴覚障碍のためのバリアフリー上映館有り
http://nishimajo.com/i_index.html
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