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バリアフリーキッチン 動線と暑さ対策を考えた間取り

キッチンにも、バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方が導入されるようになってきました。システムキッチンの高さを考えたり、安全に配慮したり。では、空間の取り方はどうでしょうか。

   最近は、カウンター形式になっているシステムキッチンで、調理スペースとダイニングが区切られているLDK が多くなりました。独立型のキッチンもありますが、人気がないのは高度成長期の団地から広がったカウンター無しの(L)DK。流しから振り向けばテーブルがあるというもので、たしかに調理中や後片付けの雑然としたところが見えるので見栄えは悪い。ですが、バリアフリーの観点からはかなり良いんじゃないかと思っています。

 振り向けば手が届く位置にダイニングテーブルが置けますので、配膳が楽です。調理台が狭い場合はテーブルを使えるし、椅子に座って野菜の皮をむくなどの下ごしらえもできます。立ち仕事が辛い人には、キッチンでも椅子を使うことを勧めますが、この方法ならわざわざ椅子を用意する必要もありません。
 とくに中高年になってキッチンをリフォームする場合、いままでが開放型のLDKなら、カウンターキッチン、独立キッチンはお勧めしません。作業動線が長く感じるはずです。

 それから室温管理! 対面カウンター式や独立型のキッチンンだと、リビングやダイニングに付けられたエアコンの風が届かないことがあるのです。そして調理の熱も籠もりやすい。料理をしているうちに熱中症になったとか、夏は暑くてキッチンに立ちたくないという話も聞きます。開放型のキッチンなら遮るものがありません。少々調理中の臭いがリビングに流れるか気になりますが、 いまの換気扇は性能がいいので許容範囲なのではと思います。

 ちなみに調理中の臭いの問題は、コンロの上だけじゃなくて、電子レンジのところにも換気扇があるといいのですが。ダクトが伸縮する換気扇ができないものでしょうか。

くらしのファイル2 プチプチで窓の断熱

 東京も大雪が降って寒いですね。

 最近引っ越しをした友人が「前の部屋より寒い。どうやら窓から寒気が入ってくるみたい」と言います。窓からの寒気を防ぐなら、長めの遮熱(保温)カーテンが基本ですが、プチプチを貼るのもお勧めです。
 プチプチ、つまり梱包でおなじみのエアーパッキンですが、今はスーパーなどでも断熱材として売られています。安価で手軽に貼れるので賃貸住宅などリフォームできないところに向いていますが、本格的に家屋の建築施工時に断熱材として用いられるアルミ製のものもあるそうです。
  
Puchipuchi1_2


 直接ガラス面に貼るのは複層ガラスの原理。断熱用はそれ自体が複層プチプチで(両表面とも平ら)直接板ガラス面に密着させて使うことを想定しています。梱包用をガラス面に貼るときは、プチプチ面をガラスに向けて貼ると、空気層ができ複層ガラスの原理になります。
 ガラスに直接貼る方法は、大きな窓や、開け閉めが頻繁なところは適していますが、ルーバー窓(ガラリ窓:ハンドルを回すことで複数あるガラス板の角度を変えて開け閉めする)には不向きです。

 窓枠にプチプチを貼るのは二重窓の原理。滅多に開けなくて良い小窓なら、サッシや窓枠を覆って貼ったほうが遮熱効果が高いと思うのですが。なにしろサッシそのものが冷えますし、窓枠まで覆ったほうがすきま風も入りません。これも、プチプチ面を窓側に向けたほうが暖かい気がします。
 
Puchipuchi3
 
 トイレの滑り出し窓(下側が外に向かって開く)に梱包用プチプチを貼ったところです。このトイレは別に換気扇がついているため、冬は開ける必要がないので窓枠よりも一回り大きく貼りました。花粉の時期が過ぎたら剥がして、夏は風通しをよくする予定です。
 両面テープで留めていますが、剥がした跡が残らないようにするなら、壁や窓枠にマスキング(養生)テープを貼って、その上に両面テープで留めます。いまは模様入りのマスキングテープも流行っていますから、DIYが好きな方は工夫してみてください。断熱用とは比べていないのですが、梱包用でもいままでとは雲泥の差。 トイレや洗面脱衣室のヒートショック予防対策の第一弾としてお勧めです。
  

 知り合いの事務所に行ったら、玄関ドアの郵便受けを内側からプチプチで覆っていました。1LDKのマンションを事務所にしていて、ドアを開けたらすぐDKという間取り。郵便受けはマンションの入口にあるからこれは使わないので防寒対策、とのこと。凸凹が大きいところには梱包用のほうが覆いやすいです。
 かっこ悪いけどね、と言ってましたが、プチプチ便利です。
 

暮らしのファイル1:玄関の段差

 日本の住宅には、通常玄関の三和土と玄関ホールの境に段差があります。
 昔は段差が30㎝以上の家も珍しくなかったようですが、最近では、バリアフリーの観点から低くなる傾向があります。マンションでは、ほどんど段差がないところも。そういえば昔も大きな玄関には靴脱ぎ石や式台がありました。

 段を上がる、下りる、という動作を考えたときには段差が低いほうが楽ですが、靴を履くという動作はどうでしょうか。まず足を靴に入れる動作があります。そして立ったまま履ける靴はスリッポンタイプの靴で、紐やファスナーがあると中腰になって締めませんか?
 段差の上り下りだけなら、そんなに難しい動作ではありません。玄関ははっきり段差を意識する場所ですし、階段と違いある程度広いスペースの中で動き、しかも連続動作ではないので上がったり下りたあとに体勢を整えられます。が、靴の着脱の動作は全身を使うので、複雑になります。 
 よくスリッポンタイプの靴を「履きやすい」と言いますが、それは足が入れやすいから。「歩きやすい」のは、紐やマジックテープで自分の足にあわせて微調整ができる靴です。履きやすいかどうかは、手の問題だけではありません。

 怪我や障害を負ったり、高齢になると、この一連の動きが難しくなるので、腰掛ける場所がほしくなるわけですが、若い人だって腰掛けたほうが楽です。  
 以前は、自然にあがりかまちの段差を利用していたと思うのですが、段差が低くなったので、新たに”腰掛け”の需要が出てきたのでしょう。段差が低いのに、靴の着脱を考えていない玄関はバリアフリーではありません。

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 玄関のあがりかまちの段差が23㎝ある一戸建ての家です。 
 この家族はスニーカーや紐靴を履くことが多いので、その段差を利用して靴を履いていましたが、膝を痛めてしまった人が、立ちあがるときに「ヨイショ」という感覚を伴うようになってきました。段差のところに立て手すりはありますが、もう少し”腰掛け”が高いほうが立ち上がりが楽という話になりました。
 靴箱等の配置を変えないと三和土に椅子を置くスペースがうまく取れないので、いままで通り、あがりかまちの段差を利用することに。

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 向かって左が、子供用のお食事クッション。大人と同じダイニングテーブルを使うときの補助クッションで、高さ9㎝です。右は、子供用が洗面台やトイレを使うときの踏み台で13㎝。簡易的なものですが、踏み台なので安定感があります。クッションを使うと32㎝、踏み台だと36㎝。一般的な椅子の座面と比べるとまだ低いですが、前屈みになって靴を履く動作を考えて低く目です。使う人の体型やその日の調子によって使いやすさがあるので、両方利用しています。紐靴だけでなく、ロングブーツの脱ぎ履きにも便利だそうです。しばらくはこれでやってみることになりました。

 
 クッションや子供用の踏み台は軽いので移動が楽です。使わないときは端に寄せて置けば邪魔になりません。
 値段もそんなに高くないので気軽に使って高さを試せます。
 今回は、ネットでサイズを調べて購入しました。子供用の踏み台は加重可能の上限を確かめて。大人だけのお宅では踏み台の色とイラストが気になると思いますが高さ優先の選択、「使うのは一瞬だから」ということでした。