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暮らしのファイル1:玄関の段差

 日本の住宅には、通常玄関の三和土と玄関ホールの境に段差があります。
 昔は段差が30㎝以上の家も珍しくなかったようですが、最近では、バリアフリーの観点から低くなる傾向があります。マンションでは、ほどんど段差がないところも。そういえば昔も大きな玄関には靴脱ぎ石や式台がありました。

 段を上がる、下りる、という動作を考えたときには段差が低いほうが楽ですが、靴を履くという動作はどうでしょうか。まず足を靴に入れる動作があります。そして立ったまま履ける靴はスリッポンタイプの靴で、紐やファスナーがあると中腰になって締めませんか?
 段差の上り下りだけなら、そんなに難しい動作ではありません。玄関ははっきり段差を意識する場所ですし、階段と違いある程度広いスペースの中で動き、しかも連続動作ではないので上がったり下りたあとに体勢を整えられます。が、靴の着脱の動作は全身を使うので、複雑になります。 
 よくスリッポンタイプの靴を「履きやすい」と言いますが、それは足が入れやすいから。「歩きやすい」のは、紐やマジックテープで自分の足にあわせて微調整ができる靴です。履きやすいかどうかは、手の問題だけではありません。

 怪我や障害を負ったり、高齢になると、この一連の動きが難しくなるので、腰掛ける場所がほしくなるわけですが、若い人だって腰掛けたほうが楽です。  
 以前は、自然にあがりかまちの段差を利用していたと思うのですが、段差が低くなったので、新たに”腰掛け”の需要が出てきたのでしょう。段差が低いのに、靴の着脱を考えていない玄関はバリアフリーではありません。

                           *

 玄関のあがりかまちの段差が23㎝ある一戸建ての家です。 
 この家族はスニーカーや紐靴を履くことが多いので、その段差を利用して靴を履いていましたが、膝を痛めてしまった人が、立ちあがるときに「ヨイショ」という感覚を伴うようになってきました。段差のところに立て手すりはありますが、もう少し”腰掛け”が高いほうが立ち上がりが楽という話になりました。
 靴箱等の配置を変えないと三和土に椅子を置くスペースがうまく取れないので、いままで通り、あがりかまちの段差を利用することに。

Photo_4

 向かって左が、子供用のお食事クッション。大人と同じダイニングテーブルを使うときの補助クッションで、高さ9㎝です。右は、子供用が洗面台やトイレを使うときの踏み台で13㎝。簡易的なものですが、踏み台なので安定感があります。クッションを使うと32㎝、踏み台だと36㎝。一般的な椅子の座面と比べるとまだ低いですが、前屈みになって靴を履く動作を考えて低く目です。使う人の体型やその日の調子によって使いやすさがあるので、両方利用しています。紐靴だけでなく、ロングブーツの脱ぎ履きにも便利だそうです。しばらくはこれでやってみることになりました。

 
 クッションや子供用の踏み台は軽いので移動が楽です。使わないときは端に寄せて置けば邪魔になりません。
 値段もそんなに高くないので気軽に使って高さを試せます。
 今回は、ネットでサイズを調べて購入しました。子供用の踏み台は加重可能の上限を確かめて。大人だけのお宅では踏み台の色とイラストが気になると思いますが高さ優先の選択、「使うのは一瞬だから」ということでした。

 

  


 

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