マン・レイ展 知られざる創作の秘密
国立新美術館で行われている「マン・レイ展 知られざる創作の秘密」を観た(9月13日まで。大阪2010年9月28日(火) ー 11月14日(日) )。2007年から欧州を巡回している展覧会なのだそうだ。
マン・レイ (1890-1976)。画家としてスタートし、写真やオブジェも手がけるようになった。写真が一番有名だろうか。ロシア系アメリカ人で、パリで才能を開花させた人。戦争でアメリカ(ロサンジェルス)に戻った時期は不遇の時代で、後年またパリに住む。時代と彼の才能がちょうど良くマッチした、モノクロ写真の美しい陰影や、上品なエロスが漂う作品にほれぼれしながら会場を巡った。ソラリゼーションの写真、おもしろかったな。
会場の最後に、マン・レイ財団の美術館のビデオが上映されていた。そこは昔彼と妻のジュリエットが住んでいた場所で、いまもマン・レイが住んでいるかのように作品や遺品を展示してある部屋だったのだが、壁を背景にした展示より、そういう場所で、オブジェがより生きてくるような気がした。今回の展覧会で、その一部でも再現できたら、もっとおもしろかっただろうに……。
しかし……、凍えた。展覧会のサイトにも「お客様へ 美術館では、作品保護の観点から会場内の温度を低く設定しています。あらかじめご了承ください。」と書いてあるけれど……。美術館はたいてい空調の設定温度が低いから、夏でも羽織るものをもっていく。この日も七分袖のブラウスにカーデガンを羽織っていたのだけれど、ここまで寒いことは珍しいので、これから行かれる人はお気をつけて。作品保存のためだけじゃなくて、別会場でやっているオルセー美術館展の影響もあるんじゃないかと思ってしまう。
オルセー美術館展、混み合ってますよ。いつまで経っても1時間以上待つ長蛇の列が、国立新美術館のロビーを埋めていた。屋内で待っているだけマシでしょうけれど、あんなに並ぶのなら今年のオルセーは私はパスだ。
それで、たぶんオルセーが目当てだったと思われる子ども連れがマン・レイに流れてくるのだと思われる。しかし、マン・レイは、「R15」っぽい作品も多いし、ピカソやジャコメッティのポートレートも、小学校低学年の子どもには「よくわかりませーん」だろう。かといっておとなしくしていなきゃいけないし(もともと美術展にくる子たちだからマナーは心得ているようで)、夏休みの子どもも辛いな。
平日の1時過ぎから2時半ぐらいだったが、マン・レイ展は比較的空いていて観やすかった。
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