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平成館のバリアフリー

(「Story of … カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶」から続く)

「国宝 阿修羅展」ついて書こうと思ったが、寄り道して、常々思っている平成館のバリアフリーの話を書こう。
 
 平成館は、エスカレータのすぐ前で特別展のチケットを確認し、エスカレータに乗って2階の展示室にいくようになっているが、バリアフリーの配慮としてはあんまり優しくない。エレベータを使いたい人は申し出ると案内してくれるのだが、エスカレータの乗り口でチケットを切っているので、車いすとかベビーカーとかエスカレータに乗れない人は申し出るだろうが、杖の人だと多少のリスクを感じていてもエスカレータに乗ってしまう。

 案内係はにこやかに「申し出てくだされば」と言うが、「申し出て」というのは案外クセモノだ。エレベータの位置が正面エントランスではわかりにくいので、エレベータという選択肢を浮かべにくい。杖ぐらいの不自由さの人だと、わざわざ自分からなにかを申し出るという習慣がない。別に案内カウンターもあるのだが、チケットを切る人のほうが目に入りやすく、そこに行くと目の前にあるエスカレータに”我慢して”乗ってしまう。目の前の誘導に逆らって何かを尋ねるのは、相手が思う以上に勇気の要ることだ。そこで質問したり引き返すと、後ろの人に迷惑になる、とも思う。

 本来は展示室の入り口でチケットを切るのがいいのだが、現在の設計では、2階のロビーが狭いので混雑に対応しきれない。また第一展示室、第二展示室の行き来が問題となるのだろう。エレベータを利用させると、輸送効率が悪かったり、優先マナーを巡るトラブルも予想される。
 いっそ玄関でチケットを切ってしまい、本館との通路にもチェックの人員を置くとか、なんとかならない?
 2階から降りるエレベータも表示はあるものの、ロッカーの奥に潜んでいて、「隠しエレベータか?」と思う。
 
 ホールでも地下鉄でも、2、3階分を貫くエスカレータが増えた。階段より楽だとは言え、この手のエスカレータは、バリアフリー(ユニバーサルデザイン)の盲点になりやすい。エスカレータの速度と同じ速度で乗り降りしなければならないので、ゆっくりとしか動けない人はそのタイミングがつかめない。そして、長いこと姿勢を保ちながらエスカレータに乗っているのは片麻痺や足腰が弱い人には辛い。階段は辛ければ途中で休めるのだが、エスカレータでは姿勢を保ち続けなくてはならない。大きな荷物を持った人が隣をガンガン歩いていくのも、あおられたり、荷物をぶつけられたりして、バランスを崩しそうだ。

 エスカレータ以外でも、”利用できなくはないが漠然と危険を感じている人”のニーズは、声になりにくい。そして高齢社会を迎え、いままでそんなに配慮しなくてもすんでいた、声になりにくいニーズ、声になりにくいリスクが増えている。
  

 エスカレータではないが、展示室入り口とフロアの上下移動の問題は、西洋美術館でもかつて見受けられた。
 西洋美術館の企画展示室は地下2階からはじまるが、地下1階でチケットを切って階段に誘導している。1階から降りる手段は階段とエレベータ。エレベータが地下1階止まりで、地下2階にいくためには乗り換える。
 2007年の『パルマ展』のとき、私が1階から階段を降りて行ったら、一歩一歩手すりと杖に掴まって降りているお婆さんがいた。「エレべータがありますよ」と教えてあげたかったが、半分ぐらいまで降りていたので、また上がっていくのでは同じことだ。
 階段のところで「パルマ展はこちらでーす」と係員が呼び込んでいたので、つい、お婆さんもつられちゃったのかもしれない。エレベータは階段の手前にあるのだが、表示が小さかったので見落としてしまったのだろう。階段の下り口にも、エレベータの案内表示があればいいのになと思った。

 その日私は忘れ物をして荷物を送ってもらったので、お礼のメールにこの件を書き添え、改善をお願いした。後日西洋美術館に行ったら、考えていたこととは違ったが、エレベータの前に大きく「エレベーター」の表示が出ていて、前よりもわかりやすくなっていた(私のメールがきっかけとなったのなら、1か月も経たないうちに対応してくれたことになる)。人的な誘導の仕方も気を配っていた。

 ちなみに西洋美術館の企画展示室は、地下1階でチケットを切っている。地下2階に降りる階段のすぐ手前に係員が立っていて、階段に誘導するようになっているが、エレベータで下りてきた人や階段が辛そうな人には、地下2階へのエレベータを案内しているようだ。

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