動物画の奇才・藪内正幸の世界展
吉祥寺美術館で、「動物画の奇才・藪内正幸の世界展」を観た(5月24日まで)。大阪出身だが、高校を卒業して上京。晩年(1985年)吉祥寺東町に仕事場を構えたそうで、今回の企画展はその縁かららしい。
これまで、薮内正幸(1940-2000)という名前を意識したことがなかったが、『広辞苑』(岩波書店)や『世界大百科事典』(平凡社)の挿絵や、切手「自然保護シリーズ・アホウドリ」の原画「サントリー愛鳥キャンペーン」のイラストと聞けば、「ああ!」と思いあたるものばかり。井の頭自然文化園や多摩動物園など、動物園の案内板や解説パネルなら、子供の頃にお世話になったはず!

ポストカードにもなっていたレッサーパンダ。写真より緻密なんじゃないかと思うほどだ。見飽きないが、描き手は気が遠くならないのかしら?
いやあ、面白いなあ。4月上旬からやっていたのに、会期の終わりの週にあわてて来たなんて、もったいないことをした。これなら何度足を運んでも楽しめそうだ。
ひとつひとつの作品の緻密さにため息をつきながら回って、終盤の展示に笑った。
”裏ヤブ作品”。曰く、--藪内正幸は、(財)東京動物園協会が発行する友の会会員誌『どうぶつと動物園』に、多くの挿絵を提供してきました。編集担当者に渡す原稿を収めた封筒の裏には、毎回欠かさず同封の挿絵動物にちなんだダジャレ画が描かれるようになり、編集部ではこれを「裏ヤブ作品」と呼び、スタッフは毎回ひそかな楽しみにしていたそうです--(「裏ヤブ作品 POST CARD」から引用)
「裏ヤブ作品 POST CARD」集を買った。
吉祥寺美術館オリジナルだそうで、いいところに目をつけましたね。
表紙は、第一回裏ヤブ作品。ゾウの絵柄にターキン(ウシ科)が重ねられているそうだ。ゾウ+(ター)キンでゾウキンってわけ。ちなみにゾウは東京動物園協会の封筒のイラストなんだとか。こりゃあ編集者は楽しいし、嬉しいし、大切にとっておいた気持ちがよくわかる。
ウチに帰って、古い『広辞苑』を引っ張り出してみた。ああ、これこれ。

この企画展、井の頭自然文化園のイベントと連動している
常設展「浜口陽三記念室」は「生誕百年 partⅠモノクロームからの出発」(6月28日まで)。浜口は静物のイメージが強いが、今回の特集は女性の絵も展示されているし、原版も観られて、おもしろかった。
吉祥寺美術館はちっちゃい美術館だけど、だんだん味が出てきて嬉しい。
| 固定リンク
「アート」カテゴリの記事
- 皇室の名宝展 日本美の華 1期(2009.10.24)
- ゴーギャン展 2009(2009.09.27)
- 堀内誠一 旅と絵本とデザインと(2009.09.06)
- 上村淳之展-唳禽を描く-(2009.09.01)
- サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ(2009.08.14)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 爆裂クインテット(2009.10.27)
- 皇室の名宝展 日本美の華 1期(2009.10.24)
- ゴーギャン展 2009(2009.09.27)
- 中村紘子 デビュー50周年記念リサイタル Vol.1(2009.09.22)
- 一葉 終焉の地(2009.09.09)



