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2009年5月

動物画の奇才・藪内正幸の世界展

 吉祥寺美術館で、「動物画の奇才・藪内正幸の世界展」を観た(5月24日まで)。大阪出身だが、高校を卒業して上京。晩年(1985年)吉祥寺東町に仕事場を構えたそうで、今回の企画展はその縁かららしい。


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 これまで、薮内正幸(1940-2000)という名前を意識したことがなかったが、『広辞苑』(岩波書店)や『世界大百科事典』(平凡社)の挿絵や、切手「自然保護シリーズ・アホウドリ」の原画「サントリー愛鳥キャンペーン」のイラストと聞けば、「ああ!」と思いあたるものばかり。井の頭自然文化園や多摩動物園など、動物園の案内板や解説パネルなら、子供の頃にお世話になったはず!


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ポストカードにもなっていたレッサーパンダ。写真より緻密なんじゃないかと思うほどだ。見飽きないが、描き手は気が遠くならないのかしら?
いやあ、面白いなあ。4月上旬からやっていたのに、会期の終わりの週にあわてて来たなんて、もったいないことをした。これなら何度足を運んでも楽しめそうだ。

 ひとつひとつの作品の緻密さにため息をつきながら回って、終盤の展示に笑った。
”裏ヤブ作品”。曰く、--藪内正幸は、(財)東京動物園協会が発行する友の会会員誌『どうぶつと動物園』に、多くの挿絵を提供してきました。編集担当者に渡す原稿を収めた封筒の裏には、毎回欠かさず同封の挿絵動物にちなんだダジャレ画が描かれるようになり、編集部ではこれを「裏ヤブ作品」と呼び、スタッフは毎回ひそかな楽しみにしていたそうです--(「裏ヤブ作品 POST CARD」から引用)

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「裏ヤブ作品 POST CARD」集を買った。
 吉祥寺美術館オリジナルだそうで、いいところに目をつけましたね。
表紙は、第一回裏ヤブ作品。ゾウの絵柄にターキン(ウシ科)が重ねられているそうだ。ゾウ+(ター)キンでゾウキンってわけ。ちなみにゾウは東京動物園協会の封筒のイラストなんだとか。こりゃあ編集者は楽しいし、嬉しいし、大切にとっておいた気持ちがよくわかる。

 ウチに帰って、古い『広辞苑』を引っ張り出してみた。ああ、これこれ。
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 この企画展、井の頭自然文化園のイベントと連動している

 
 常設展「浜口陽三記念室」は「生誕百年 partⅠモノクロームからの出発」(6月28日まで)。浜口は静物のイメージが強いが、今回の特集は女性の絵も展示されているし、原版も観られて、おもしろかった。
 吉祥寺美術館はちっちゃい美術館だけど、だんだん味が出てきて嬉しい。
 

清志郎と新インフルエンザと伊勢丹吉祥寺店閉店

 忌野清志郎は、CDを何枚か持っている程度なので、ファンと言ったら、熱烈なファンに怒られそうだが、あの声も、素直な歌詞も好きだった。清志郎のイメージを一言で言うなら、素直。違う病気だけれど闘病の時期が重なっていたこともあって、再発報道後ずっと気になっていた。亡くなった日に、RCのアルバムを聴きながら寝た。青山ロックンロールショーの日は会場にいかなかったけれど、家で、封印していた「完全復活祭」のDVDを観た。涙で顔がグショグショになったけど、元気になった。せっかく病気が治ったんだから、愛し合って元気に過ごさなきゃね。

 その、違う病気の予後を看てもらうために、昨日(5月12日)は病院へ行った。検査結果は異常なし。まずはメデタシ。
 病院は、新インフルエンザ体制だった。玄関に消毒液が並べられた机が置かれ、看護師さんがいた。GW中に海外渡航をした人や熱のある人は申し出るように、咳などの症状がある人にはマスクの着用を呼びかける張り紙が貼られていた。弱毒性ということでわりと安心していたが(でもマスクはもって歩いている)、医療関係者は大変だ。

 夕刊に「伊勢丹吉祥寺店が来年3月で閉店」という記事。予感はあったが、現実になると大ショック。地下食料品売り場がスーパー代わりだから、日常生活が変わるだろうなあ。それに地域経済はどうなる?
 

座・高円寺と「化粧 二幕」

 高円寺は、昔住んでいた町の中央線の最寄り駅だったので、馴染みがある。その高円寺に、座・高円寺という劇場がオープンした。座・高円寺、うまいネーミングだなあ。

 こけら落としの演目は、渡辺美佐子のひとり芝居「化粧 二幕」(作 井上ひさし・演出 木村光一)。80年代の話題作で、いまも渡辺の代表作として上演され続けている。私は、80年代に芝居三昧だったのに、それからもずっと演劇ファンなのに、なんで一度も観なかったんだろう。井上作品も、地人会も観ていたのに。
 というわけで、いそいそと「化粧 二幕」に行った。このこけら落としの期間中に、上演600回を迎えるそうだ。

 取り壊しが決まっている芝居小屋で、大衆演劇の女座長(渡辺)が、公演の支度をはじめる。座員に今日の出し物の段取りを教えながら化粧をするのだが、この大衆演劇ならではの白塗りの化粧が、タイトルの由来で、もう一人の主役だ。化粧の扱いが絶品。
 ずっと気になりながら観なかったのは、たぶん、若い頃の私が無意識のうちに大衆演劇の泥臭さを敬遠したのだと思う。いまも、涙の二幕より、一幕で終わったほうがストーリーとしては好みだが、化粧を施した渡辺美佐子の熱演は素晴らしく、観て良かった。
 ただ、真新しい劇場にうらぶれた楽屋のセットはなんだか違和感があって、91年の紀伊國屋ホールあたりで観ていれば、自分の「化粧」鑑賞適齢期と作品全体の味がマッチしたんじゃないかと思う。いや、今回も見逃していたら、もっともったいなかったけど。

 
 「化粧 二幕」は、地下2階にある座・高円寺2という300席もない小劇場での公演だった。観やすいが、座席の列の間隔が狭く、足が窮屈。列の奥に人が入ろうとする度、私は立った。とくにお年寄りは足元が危ない。数を確保したかったんだろうけど、若者の体格は大きくなってるし、これからお年寄りは増えるのに、基本的なところで不親切だ。ロビーは広くて快適なんだけれどね。
 観客用のトイレは地下1階、すべての館内施設共通のもので、女子トイレはブースがけっこう多い。館内に小劇場が二つあるが、小劇場だし演目の休憩時間が重ならなければ、かなりゆとりがあるトイレだと思う。
 が、多機能トイレはちょっと小さいかな。オストメイト対応流しや多目的シートもついているが、狭いので車いすから多目的シートへの移乗がしにくいかもと、ちょっと心配だ。
 


Strings 中西俊博トリオ  Live

 吉祥寺の28席+補助席という、ちっちゃなライブハウス「Strings」を知ったのは、去年の秋だった。以前から、お店があることは知っていたのだけれど、ライブを聴いたことはなかったのだ。
 あるとき、店の前を通りかかると、ライブの予告になんと「中西俊博」とあるではないか!

 ジャンルを超えたヴァイオリンの巨匠と呼ばれているようだが、私にとっては中西さんといえば、「ア・ラ・カルト」の中西さんで、20年来のファンだ。その中西さんが吉祥寺のライブハウスに出演しているなんて! そりゃあ、ぜひとも行かなくっちゃ!!
 けれど、そのときは体調を崩していけなかった。その後、maikoとのデュオ・ヴァイオリンをここで聴いた。目の前で、中西さんの弓裁きが見られるなんて贅沢でウットリだ。
 
 5日は、いけなかったときと同じトリオの編成だった。 伊賀拓郎くん(p)と、木村将之くん(b)という学生っぽさが残る若いミュージシャンだが、演奏はめちゃくちゃ巧いし、いい感じ。中西さんは「巨匠」なのに気さくな人だ。「二人の歳を足したより、僕の歳のほうがまだ多い」と笑いながら、二人を「天才」と呼び「パワーをもらっている」と言う。ホントに若者とのセッションが楽しそうで、そういう大御所っぽくならないところが、また魅力的。作曲やアレンジより、なにより弾いているのが好きだと言う。

 アンコールで、三人で一度もあわせたことがないという「枯葉」をやった。ベースの木村くんのソロの場面で、ステージの後ろに置いてあった弓を、中西さんがケースから出して渡した。木村くんは弓を使うつもりはなかったのだろうけれど、素晴らしいベースの演奏だった。ニクイね、中西さん。

 中西さんにCDにサインしてもらって、月末のmaikoのライヴを予約して、Stringsを出た。中西さん率いる爆裂クインテットとmaikoの、横浜のライブも要チェックだ。
 このペースでライヴにはまると、中毒しそうで怖い…。


 

軽井沢大賀ホール春の音楽祭 中村紘子ピアノリサイタル

29日に大賀ホールで、中村紘子ピアノリサイタルを聴いた。
大賀ホールの軽井沢春の音楽祭を聴くのは、今年で3回目。私にとって、ゴールデンウィークの恒例行事になりつつある。
 今年は寒かったからか、日にちも過去二回より早かったからか、桜はまだ咲いていなくて残念だったが、池の畔から見る景色は清々しい。浅間山から、ときおり白い煙がたなびいていた。

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 中村紘子は、今秋デビュー50周年だそうだ。コンクール、N協アワー、エッセー等々演奏以外にも活躍している大スターなので、つい何度もライヴを聴いているような気がしていたが、よく考えたらピアノリサイタルははじめてかもしれない。

バッハ:パルティータ第2番
ショパン:ワルツ1~7、14番、

シューベルト:4つの即興曲Op.90より第3番、第4番
ショパン:ピアノソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」

 当日は「花」という書をデザインしたモノトーンのドレスで、椅子に座ると、さっと弾き始めた。こともなげに、でも情感豊かに。パワフル、そしてピアノの響きの美しいこと!  これはアンコールのときに中村さんが話していたが、大賀ホールはピアノの音響がとても良いのだとか。『デビュー50周年記念アルバム』もこのホールで録音しているそうだ。
 正面に向かってやや右側で、残念ながら手がみえる席ではなかったが、前から二列めだったので顔の表情や、グランドピアノの蓋(?)に映し出されたハンマーの動きやペダルが見えたので、それも楽しかった。
 

アンコールはなんと4曲。
0904291
リスト:愛の夢第3番
グラナドス:アンダルーサ
マクダウェル:魔女の踊り
ショパン:幻想即興曲

 「10歳のときに練習した曲です」といって幻想即興曲を弾き始めたから驚いたが、一瞬会場もざわめいたので驚いたのは私だけじゃなかったみたい。天才少女と呼ばれた人なんだから、そりゃあそうなんだが。
 
 この日はたっぷり聴いて大満足だったが、なんでもっと前から中村紘子のリサイタルに行ってなかったんだろうと悔やむ。いやいや、いまから円熟の演奏を聴くのだ。東京に帰って2日後、50周年ツアーの9月のサントリーホールのチケットをとった。

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