ダウトDOUBT−疑いをめぐる寓話−
吉祥寺シアターにて、文学座アトリエの会 『ダウトDOUBT−疑いをめぐる寓話−』を観た。
(脚本 ジョン・パトリック・シャンリィ/演出 望月純吉 4月22日まで)
スリリングな舞台。初演は2004年、その後2005年にトニー賞最優秀作品賞とピュリッツァー賞を受賞したそうだ。
1964年のニューヨーク、ブロンクスにあるミッション系の高校。厳格な校長シスター・アロイシス(寺田路恵)が、体育の教師であるフリン神父(清水明彦)と、転校してきたばかりの学校初の黒人男子生徒の関係に疑いを抱く。校長は、その生徒の担任教師のシスター・ジェームス(渋谷はるか)と生徒の母親(山本道子)に疑いを打ち明け、対処しようとする。
たしかにフリン神父は疑わしい言動があるのだが、校長もあまりに杓子定規で、校長とフリン神父は普段から意見が対立しがちだったり、学校という組織の中では校長が上司だが、教会の組織ではフリン神父のほうが位が高いという捻れの関係など、いろいろな要素が提示される。おまけに、世の中では正しいことがいつも良きことではないという教訓まで出てきて、フリン神父の疑いは最後まで残ったまま…。
最初は新人教師のシスター・ジェームスの視点に寄り添い観ていたのだが、クライマックスでは、自分自身がフリン神父と校長の間で揺れ動いた。これは、観ている人間が試されますな。
疑惑が晴れないことで、新たな疑惑が生まれる。フリン神父が白だったらアレで、黒だったらコレと、疑いの連鎖を体験しながら劇場を出た。
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